みつきんのメモ

組み込みエンジニアです。Interface誌で「Yocto Projectではじめる 組み込みLinux開発入門」連載中

2025-01-01から1年間の記事一覧

Yocto Project アーカイバ調査

はじめに オープンソースでは要求に応じて、ソースコードを開示する必要がある。 Yocto ProjectではBitBakeで作成されたOSイメージに含まれるすべてのOSSライセンスのパッケージについて ソースコードをアーカイブする機能としてアーカイバを提供している。 …

ラズベリーパイ4のmini UARTとcore_freqについて

はじめに ラズベリーパイ3、4などの無線機能付きの機種ではデフォルトではデバッグシリアルが無効化されている。 これは2種類あるUARTのうちPL011をBluetooth制御に割り当てるようになっているため。 ラズベリーパイ4に関してはUART2〜5としてPL011が追加さ…

Yocto Project QEMUでu-boot

はじめに Yocto ProjectでビルドしたQEMUはrunqemuで起動できるが、 デフォルトではカーネルからの起動シーケンスが実行される。 u-bootやGRUBなどのブートローダから起動シーケンスを実行できるのでこれを試す。 環境構築 scarthgapを使用する。 作業環境 $…

Yocto Project 5.1(styhead)以降の注意点

はじめに ぼやぼやしているうちにYocto Projectも5.2がリリーズ済みとなり、5.1はサポート終了していた。 しかし、Migration notes for 5.1 (styhead)を見ると、do_unpackでのWORKDIRの扱いが変更されたため、これまでの一部のレシピについて互換性がなくな…

Yocto Project ラズベリーパイ4でディスクレス

ルートFSのサイズが小さいLinuxでは、OSの起動時にRAM上にすべてのファイルを展開することで、 ストレージデバイスに全くアクセスしないシステム構成を捕ることができる。 これはKnoppixやPuppy Linuxなど古くから存在する手法である。下記にRAM上での動作が…

Yocto ProjectでKakipの野良ビルドを諦めた話(その2)

はじめに Yocto ProjectでKakipの野良ビルドを諦めた話(その1) Kakipというボードが一部で話題となっている。 Yocto Projectで野良ビルドすることを目指して作業を開始したが、meta-renesasをビルドするだけで力尽きた。 今回はその続き。 Kakipの起動に必要…

Yocto ProjectでKakipの野良ビルドを諦めた話(その1)

はじめに Kakipというボードが一部で話題となっている。 開発開始当初はYocto ProjectベースでBSPが提供される予定だったが、途中でUbuntuにシフトチェンジしたとのこと。 どうでもいいが筆者は「Yocto Linux」という呼称を認めない。Yocto ProjectはLinuxを…

Yocto ProjectでOllamaを試す

はじめに Yocto Projectの環境でOllamaを試したい気分になった。 一からビルドするのは大変そうなので、マニュアルインストールの手順を試す。 環境構築 環境を構築する。 作業環境 $ mkdir -p ~/yocto/scarthgap $ cd ~/yocto/scarthgap pokyの取得 $ git c…

Yocto ProjectのSBOM生成機能をためす

はじめに Yocto ProjectではSBOM(Software Bill Of Materials)を出力する機能がある。SBOMはcreate-spdx.bbclassの機能によって出力される。 また、Nanbield(4.3)からこの機能がデフォルトで有効化されている。 今回はScarthgap(5.0)でこの機能を試してみた…