みつきんのメモ

組み込みエンジニアです。Interface誌で「Yocto Projectではじめる 組み込みLinux開発入門」連載中

2024-01-01から1年間の記事一覧

yoctoでコンテナイメージを取り込む(その2)

はじめに シリーズもの。 yoctoでコンテナイメージを取り込む(その1) 前回、コンテナを組み込むためのレシピを作成した。 今回は下記の構成でコンテナを組み込む方法を検討する。 コンテナ タイミング podmand pkg_postinst_ontarget コンテナ dockerと比較…

yoctoでコンテナイメージを取り込む(その1)

yoctoでコンテナイメージを取り込む(その1) はじめに 前回作成したイメージをbitbakeで作成するイメージに取り込む方法を考える。 理想は、bitbakeした時点でイメージがdockerやpodmanにインポートされた状態になり、 初回起動時のdocker imagesやpodman ima…

yoctoでコンテナ用イメージを作成する

はじめに Yocto Projectではmeta-virtualizationでdockerなどのコンテナや仮想化に関する機能を提供している。 dockerを組み込むことは YoctoProject ラズパイ4でdocker で行ったが、コンテナ用イメージ自体を作成することもできるようになっている。 bitbak…

Yocto標準SDKでROS2ノードをビルド〜YoctoでROS2に入門する(その3)

はじめに YoctoでROS2入門シリーズ YoctoでROS2に入門する(その1) YoctoでROS2に入門する(その2) 前回作成したscarthgap+humbleの環境向けに標準SDKを作成してROS2ノードをビルドできるようにする。 全体の流れ ROS2ノードのためのワークスペースなどを作成…

YoctoでROS2に入門する(その2)

はじめに 前回はkasを使用してビルド環境を構築した。kasが強力なので使いやすい反面、実際に何が行われているか分かりづらく、トラブルシュートやカスタマイズをするための知識が得づらくなっている。 今回はkasを使用せずにビルド環境を構築する。 環境構…

YoctoでROS2に入門する(その1)

はじめに ロボット制御のソフトウェアを開発するのにROSが有名である。 ROSはLinux上で動くミドルウェアとなっている。なのでYocto Projectでも使える。 Yocto Projectのためにmeta-rosというものが存在する。 環境構築も含めて全く触ったことがなかったので…

Yocto Project Poetryプロジェクトのレシピ

はじめに 前回pythonのサンプルプログラムを作成するためにpoetryを使用したが、あまりにも素人過ぎていろいろ雑だったのでもう少し調べる。 環境 Yocto Project VS Code連携機能を試す(C/C++)の環境を使用する。 poetryのプロジェクト poetry poetryはpipで…

Yocto Project VS Code連携機能を試す(Python)

はじめに 前回ではVS CodeでC/C++プログラムをデバッグする機能をためした。 今回はPythonのプログラムのデバッグを試してみる。 ベースの環境は前回のものを使用する。 pythonプログラム poetry pythonのパッケージを作成するには自前でsetup.pyなどを書く…

Yocto Project VS Code連携機能を試す(C/C++)

はじめに ScarthgapからVS Codeを使用してプログラムをデバッグする機能が実装された。 この機能を使用すると、VS Codeで実機上のプログラムにブレークポイントを貼ったり変数を見たり、 ソースコードでレベルのデバッグが可能となる。 ユーザーランドのプロ…

Yocto Project bitbake-layersの新機能を試す その2

はじめに 前前回 Scarthgapのリリースに伴うbitbake-layersの新機能を紹介した。この機能がかなり強力なので具体的な例を示してみる。 今回紹介する機能 Scarthgapで追加された下記のサブコマンドについて紹介する。 save-build-conf save-build-conf このコ…

Yocto Project bitbake-layersの新機能を試す その1

はじめに 前回 Scarthgapのリリースに伴うbitbake-layersの新機能を紹介した。この機能がかなり強力なので具体的な例を示してみる。 今回紹介する機能 Scarthgapで追加された下記のサブコマンドについて紹介する。 create-layers-setup create-layers-setup …

Yocto Project 5.0リリース

はじめに 4/30にKirkstoneの次のLTSとなるScarthgap(YP-5.0)がリリースされた。 LangdaleからNanbieldまででレシピのバージョンアップだけでなく、機能の追加などが行われているのでKirkstoneと比較すると結構便利になっている。 大きい点としてはSDKでRust…

YoctoProject Toaster使ってみる

はじめに YoctoProjectはToasterというWebインターフェースを提供している。 Toasterを使うとコマンドラインに慣れていないユーザーでもYoctoProjectを使用して ビルドを行うことができ、ビルドされたイメージをブラウザでダウンロードすることもできる。 筆…

emacsのlanguage serverをEglotに乗り換える

はじめに lsp-modeがあまり使いやすくないのでemacs 29から標準に入ったEglotに乗り換える。 環境設定 emacs Ubuntu 22.04のemacsは古いのでsnapを使用する。 aptなどでインストール済みのものがある場合は削除しておく。 $ sudo snap install emacs --class…

sshとtmuxを組み合わせる

はじめに ssh先でもローカルでもbash起動時にtmuxが起動した状態にしたい。 設定 bashrc bashを起動した時点でdefaultというセッションでtmuxを起動したい。 すでにdefaultセッションが存在する場合にはアタッチする。 ~/.bashrcに下記を追加する if [ -z ${…

YoctoProject bitbake-hashservを使ってみる(TCP/IP編)

はじめに 前回はunix domain socketでローカルPC上でsstate-cacheを共有した。 今回はリモートPCでsstate-cacheを共有してみる。 bitbake-hashservの実行 サーバのIPアドレス リモートPCから接続するためにIPアドレスを決めておく必要がある。 今回は192.168…

YoctoProject bitbake-hashservを使ってみる(unix domain socket編)

はじめに bitbakeではShared State Cache(sstate-cache)という仕組みを持っていて、今回ビルドしたいものが前回ビルドしたものと変更がなければ、成果物をそのまま再利用するようになっている。 手っ取り早い方法は複数のビルドディレクトリのlocal.confで設…

YoctoProject devtoolを使ってみる(modify編)

はじめに 下記ではdevtoolについて解説してきた。 YoctoProject devtoolを使ってみる(add編) YoctoProject devtool addでローカルのソースをレシピ化することを考える devtoolでは以下のことができる。 レシピの新規作成 レシピの編集 レシピのアップグレー…

YoctoProject devtool addでローカルのソースをレシピ化することを考える

はじめに devtool addはレシピ作成の大半の処理をrecipetool createで行っているが、 どちらのツールもネットワーク越しに公開されているソースコードからレシピを作成することを前提としている。 つまり、ローカルストレージ上にあってネットワーク上で公開…

YoctoProject devtoolを使ってみる(add編)

はじめに YoctoProjecではdevtoolというツールを提供している。 このツールはbitbake環境か拡張SDKの環境で使用することができる。 devtoolには様々なサブコマンドが用意されており、次のようなことができるようになっている。 レシピの新規作成 レシピの編…

ものすごく久しぶりにAutotoolsを使ってみた

c++

はじめに 表題のとおり。 プロジェクト作成 Autotoolsを使用したプロジェクトを作成する。 ディレクトリ構造 ディレクトリ構造は以下のようになる。 hello ├── Makefile.am ├── configure.ac └── src ├── Makefile.am ├── hello.cpp ├── hello.h └── main.cp…

YoctoProject イメージの初回起動時に実行される処理を実装する

はじめに YoctoProjectでストレージに書き込んだイメージの初回起動時にのみ実行される処理を記述する。 実際にはイメージ作成処理のPostProcessを起動時まで遅延させているだけなのだが、 以前に実装した「YoctoProject 最後のパーティションを目一杯まで広…